DIYで電動工具を使う時は、取扱説明書にある保護具をつける、工具をしっかり保持する、決められた用途・刃だけを使うの3つが基本です。製品評価技術基盤機構(NITE)は、電動ドリル・電動丸ノコ・切断機の事故例を公表し、「ちょっとした油断が事故につながる」と注意を呼びかけています。
この記事では、NITEの製品安全情報(PSマガジン Vol.367「電動工具の事故」)にある3つの事故例と注意点、電動工具用バッテリーの注意を、DIYの場面に置き換えてまとめます。
(確認元:NITE「PSマガジン(製品安全情報メールマガジン)Vol.367 電動工具の事故」(2020年10月27日号)。確認日:2026年10月6日。事故の原因はNITEの推定です。お使いの工具は、必ず取扱説明書の指示に従ってください)
NITEが紹介する3つの事故例
| 事例 | 状況 | NITEの見立て |
|---|---|---|
| 電動ドリル | 初めて使っている時に、刃が3つに折れ、一部が顔に当たって切り傷を負った | 穴あけ中にドリルに曲げ方向の力を加えたため、刃が折損したと考えられる。取扱説明書には「保護メガネ、保護マスクを使用して下さい」とあったが、使用者は保護具を使っていなかった |
| 電動丸ノコ | 使用中に右手首を負傷した | 連続運転中に手を離したため、キックバック(のこ刃が加工物に拘束されて跳ね上がること)が生じ、向かってきた丸ノコを手で避けようとして裂傷を負ったと考えられる。取扱説明書には「使用中、本体を確実に保持する」とあった |
| 切断機 | 使用中に手首を負傷した | 砥石の回転刃を付けるべきところに、取扱説明書で禁止されているチップソーを付けて使い、惰性で刃が回っている状態で手を刃の下に入れたため、手首が刃に当たり引き込まれたと考えられる |
NITEの注意点(DIYに置き換えて)
- 取扱説明書に書かれた保護具を、必ずつける。軍手のように表面が繊維状の手袋や、指の先にだぶつく部分が多い手袋は、作動中の刃に触れると巻き込まれるおそれがあるため、着用しない
- 工具をしっかり保持して作業する。切断では、必ず刃を作動させてから、ゆっくり材料に押しつける。刃の動きが鈍くなった時は、スイッチを切ってから刃を引き抜く(キックバックの防止)
- 自分の習熟度や用途に合った工具を選ぶ。分からないことは、購入時や使用時に、販売店やメーカーに確認する
- 違う用途に使わない。用途と違う刃物を付けると、工具や材料が跳ね上がったり、保持できなくなったりして、けがをするおそれがある
- 作動中の工具に手を近づけない。予期せず巻き込まれるおそれがある
- 初めて使う時や購入する時は、日本DIY協会やホームセンターなどが開く講習会に参加して、正しい知識を得る
バッテリーの注意
NITEは、電動工具用の非純正のバッテリーパックからの発火について、再現実験の映像と注意喚起のミニポスターを公開しています(PSマガジンで紹介)。工具の説明書で指定されたバッテリーと充電器を使い、異常(膨らみ、熱、においなど)を感じたら使用をやめる、という考え方が基本です(異常のサインの具体例は、一般的な注意です)。
DIYの作業に当てはめる
| 作業 | 確認すること |
|---|---|
| 電動ドリルで穴をあける | 保護メガネをつける。ドリルに曲げ方向の力をかけない(真っすぐに当てる)。壁の下地の探し方で位置を確認してから始める |
| パイプや木材を切る | 材料を固定し、刃を回してから当てる。パイプの切り方はパイプの切り方で説明している |
| 壁に棚を付ける | 手順は壁に棚を取り付ける方法にまとめている |
パイプとジョイントで棚を作る作業全体の流れはパイプとジョイントで作る棚・ラックのDIY、墨出し器で位置を決める方法は墨出し器の選び方で説明しています。粉じんが出る作業はDIYの粉じん対策|防じんマスクの選び方も確認してください。
事故の情報を調べる
NITEのサイトには、製品の事故情報を調べる検索があり、「電動工具」などのキーワードで検索できる、とPSマガジンに書かれています。工具を買う前に、同じ種類の事故の例を見ておくと、使い方の注意が具体的になります。
まとめ
- 取扱説明書の保護具を必ずつけ、巻き込まれやすい手袋は使わない
- 工具を確実に保持し、切断は刃を回してからゆっくり当てる(キックバックの防止)
- 決められた用途・刃だけを使い、作動中の工具に手を近づけない。バッテリーは指定のものを使う


